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- ハクチョウの写真にインパクトが欲しい。
- 飛び立つときの写真に躍動感を出したい。
- カメラ初心者にもできる流し撮りのやり方を知りたい!
流し撮りとは移動している被写体をカメラで追いかけて撮影することで、写真に躍動感をつける方法です。
ハクチョウが飛び立つときの写真に躍動感をプラスするには流し撮りが最適です。しかし流し撮りは失敗が多い撮影方法なので難しいと思う人も多いと思います。でも練習すればだれでも成功できる撮影方法です。
あなたも一歩進んだ撮影にチャレンジしてみましょう。
ハクチョウの流し撮りを5年間撮影し続けているしている筆者が詳しく解説します。
流し撮りの撮り方
流し撮りの時のカメラの基本設定です。
- シャッタースピード優先
- シャッタースピード⇒1/30を基準にして1/10~1/125の範囲内
- 絞り⇒目安はF11~F16(F値も合わせるならマニュアルモードに変更が必要)
- ISO⇒100(周辺の明るさに応じて変更)
- オートフォーカス⇒AIサーボAF(キャノン)、AF-C(ニコン・ソニー)※瞳AFがある機種はそれを選ぶ
- フォーカスエリア⇒ゾーン(キャノン)、ダイナミックAF9点(ニコン)、フレキシブルスポット(ソニー)
- レンズの設定⇒流し撮りモード(ない時はOFF)
流し撮りの撮影方法は、シャッタースピードを遅くしてハクチョウの動くスピードに合わせてカメラを動かしながらシャッターを切ります。
そうすると、カメラの動くスピードと同じハクチョウはきれいに撮れて、背景は流れるように見えます。
背景をぼかすのではなく流すことで、ハクチョウを引き立てて進んでいる感じの写真に仕上がります。
図を見るとファインダーで見えているハクチョウをフォーカスゾーンから外れないようにカメラを動かす速さを変えているように見えますが、カメラの動きは一定にすることが大切。ハクチョウは加速したり減速したりするでしょう。
でも、加減速に翻弄されるより一定にカメラを動かすほうが成功確率が向上します。焦点距離が長い場合は動きを一定にするためにビデオ雲台の三脚を選ぶのも良いでしょう。撮影を続けるとゲームのように感じ撮影が楽しくなってきますよ。
カメラを動かすスピードはゆっくりだから、ビデオ雲台の三脚があると便利だよ。
ハクチョウの習性を知ろう
ハクチョウはカモ科の水鳥で、越冬のため飛来する渡り鳥です。ハクチョウを撮影する前にどんな習性があるのか知っておきましょう。
ハクチョウの撮影は11月から2月ごろまで
ハクチョウは11月~2月ごろまで越冬のためシベリアなどから日本に訪れます。
新潟が有名ですが、日本の主な飛来地は、北は北海道から南は兵庫県まで幅広く、各地で見かけることができるのです。
池大きな河川など水辺を寝床にして、食料を求め早朝に飛び立ち夕方に寝床に戻ってきます。
>>日本のオオハクチョウやコハクチョウの主な飛来地
ハクチョウの一日の行動
ハクチョウは主に湖や河川などを寝床にしていますが、早朝に食べ物を求めて飛び立ちます。起床時間は天気が良い時は日の出とともに起きます。帰ってくる時間は基本的には夕方には戻ってきます。大きな声で鳴きながら帰ってきます。
また、常に集団で行動していて、体の大きさの割に臆病な鳥です。あんなに水辺で鳴いているのに日中に常に周囲を警戒しているためなかなか近づくことはできません。
流し撮りに最適な時間は?
ハクチョウの流し撮りのシャッターチャンスは早朝の飛び立つ時です。飛び立つ時間を知ることがハクチョウの流し撮りを成功させる第一歩です。ハクチョウは体が大きいため助走が必要です。
飛び立つ時は一つの方向に向かって並び周りの仲間とコンタクトを取りながら一緒に飛び立ちます。仲間とのコンタクトをとる行動がわかれば飛び立つチャンスがわかります。
ハクチョウが飛び立つ方向はその日の風の向きなどで前に飛び立ったハクチョウと同じ向きに飛び立つので予測できます。その日の天候にもよりますが、時間は6時から9時ころです。
しかし撮影だけじゃなく早めに撮影地に到着して朝の毛づくろいや周りとのやり取りなどハクチョウの可愛さも撮影しておきたいですね。
早朝が狙い目だね。
ハクチョウは大型の鳥ですがすごく臆病です
ハクチョウが飛び立つアクションをするとカメラを構えて今か今かと待ち構えてしまいます。でも、ハクチョウの群れの中にはこちらの行動に危機感を感じていることがあります。
ハクチョウは飛び立つ時に大きなリスクを感じています。それは大型の鳥ですので飛び立つために助走が必要だからです。
不安を感じると遠くで飛び立とうとするので立ち位置や服装などでストレスを与えないようにしましょう。
どうやったらキレイに流し撮りを撮れるの?
流し撮りについて詳しく解説していきます。このサイトでは流し撮りで撮影してハクチョウの目がシャープに取れたていたら「成功した」と定義します。
なぜ流し撮りになるか。
なぜ流し撮りになるかを解説します。暗い時の撮影で被写体がブレる時がありますよね。(被写体ブレ)被写体ブレは暗いため絞り(F値)を小さくしても露出が足りず、シャッタースピードを遅くなったため被写体の動きを止めきれなかったことでおこる現象です。
これを応用したのが流し撮りです。わざとシャッタースピードを遅くしてハクチョウが飛び立つ動きに合わせてカメラを動かすことで周辺が進行方向にブレてハクチョウはシャープに撮ることが流し撮りです。
動きが出て流し撮りに適した被写体とはどんな被写体?
代表的な流し撮りの写真として、電車や飛行機、車やバイクのレースなどがあげられます。どれも移動している被写体になります。最近では犬の走っているところも流し撮りをしている人もいます。
流し撮りの練習方法
流し撮りの練習は開けた場所で車やトラックなどを撮影するとよいでしょう。交差点の近くにだとスピードが変わるため練習には適さないです。高速道路が見渡せるポイントなどが絶好の練習ポイントでしょう。条件がそろえば2~3日の練習でメキメキ上達します。
日中では明るくシャッタースピードを遅くできないためNDフィルターが必要になる場合がありますので注意しましょう。
流し撮りの上達ためには、練習が大事だよ。
ハクチョウの流し撮りをするなら準備したいもの
- カメラ
- レンズ
- 三脚
- 防寒着
- ホッカイロ
- 大きめサイズのメモリーカード
- 予備のバッテリー
一番大切なことは撮影時の寒さ対策です。その日の天候や気温にもよりますが、冬の早朝に撮影しますので、防寒対策はしっかり準備しましょう。
どんなカメラが流し撮りを撮りやすい?
カメラはシャッタースピードの設定を遅くできることと連写特性がよい物を選ぶと撮りやすいです。
ちなみに私が使っているカメラはCanon EOS 7Dmark2を使っています。センサーサイズがAPS-Cで望遠に優位で高速連射速度が最高10コマ/秒と連写も優れています。
>>Canon EOS 7Dmark2 のレビュー
>>買う?借りる?実は便利なカメラのレンタル3選
レンズって超望遠が必要?
ハクチョウは湖や河川で生活しているためレンズは400~800がよいでしょう。ハクチョウは臆病で近づくことができないので望遠レンズは必須です。
私はTamron SP150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022E)を使っています。F値は大きいですが流し撮りの時には大きくなるので気になりません。
ハクチョウは池や河川に休んでいるあから望遠レンズは必須だね。
>>Tamron SP150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022E)のレビュー
>>買い替えに便利!カメラやレンズの買い取り5選
3脚?1脚?手持ち?ハクチョウを流し撮りするときはどれがおすすめ?
ハクチョウの流し撮りのタイミングが飛び立つ瞬間になるので、飛び立つまでに待ち時間があります。飛び立つまで望遠レンズを持ち続けるには体力が必要なので、3脚が必要になります。三脚はビデオ三脚がよいでしょう。
望遠カメラは重いので三脚の積載量がカメラの重さを満たしている必要があります。
>>三脚?一脚?使い時に悩んだ時はこちらの記事を参考にしてください。
その他に必要な物ってないの?
その他に必要な物としてNDフィルターと照準器が考えられると思いますが、私は撮影中に必要になった時がなかったのでなくても大丈夫でしょう。早朝ということでまだ周辺が明るくなっていないことと冬で天気が良い時が少なかったのでNDフィルターが必要になる時がなかったからです。
また照準器はハクチョウは大型なことと湖や河川での撮影で周りが開けているので望遠レンズでも探しやすいです。
それから大切なことなので再度書きますが、一番大切なのが防寒対策です。天候にもよりますが早朝の活動ということもあり、しっかり寒さ対策をしましょう。
連写して画像が多くなるためメモリーカード(SDカードやCFカード)の容量は64GB以上あるとよいでしょう。また、流し撮りはバッテリーが減りやすいです。現地で慌てないように予備のバッテリーも準備しましょう。
寒さ対策は重要だよ。
>>撮影機材のほかにあると便利な物5選
流し撮りをするにはどんな設定にしたらよいの?
流し撮りの設定を解説します。初心者はカメラのモードをシャッタースピード優先にしましょう。設定をいろいろ変えるとどこが悪かったのかわかりにくくなるので、慣れるまで固定することをお勧めします。
それよりもカメラワークについて考えたほうが上達が早いです。
ハクチョウの決定的瞬間を撮影するために、ボタン一つで早いシャッタースピードに変えられる設定を作ってシャッターチャンスを逃さないでね。
おすすめのシャッタースピードは1/30です。
よく「流し撮りは1/8位じゃないと」などの話を聞く時がありますが、私が推奨するシャッタースピードは1/30前後を提案します。なぜかというと望遠レンズでの流し撮りは失敗しやすいからです。
プロでも、成功率が14%くらいだそうです。重要なのはハクチョウの飛び立つスピードに合わせてカメラを動かすことです。初めは1/125くらいで撮影してカメラワークに慣れたら、シャッタースピードを1/30に変更しても良いでしょう。最初は成功率が1%かもしれませんが、どんどん撮影して経験を積みましょう。流し撮りは初心者には成功率が悪いが撮影できる手法です。練習すればするほど成功率が上がります。
>>レースフォトグラファー奥川浩彦さんの成功率が載っていた記事
1/500秒が79%、1/250秒が71%、1/125秒からグッと下がって51%、1/60秒が24%、1/30秒は14%
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1907/29/news043.html
そのほかの設定
モード設定は、初めはシャッタースピード優先を選びましょう。
シャッタースピード優先の設定だと絞りは自動で決まることになります。この時のF値やISOが意図しない値になっていないか気になるかもしれませんが、流し撮りに集中しましょう。設定変更は慣れてきてからです。
フォーカスエリアはほかに持っていかれないように狭めましょう。もちろん1点でもよいのですが、外した時にピントがずれないように9点くらいがおすすめです。
レンズの設定は、流し撮りモードがあるときはしっかり使いましょう。カメラの設定に流し撮りモードがない時は、OFFでかまいません。
設定のポイントはスローシャッターだけ。
設定変更はハクチョウをフォーカスし続けられるようになってから。
カメラワークが一番重要
普通の撮影と流し撮りの一番の違いがカメラを動かしながら撮影することです。そこで大切なのがカメラワークです。
狙っているハクチョウの目に合わせてカメラも動かすことが一番の大切です。
私がおすすめする方法は目をファインダーの真ん中でとらえて、ハクチョウの動きに合わせてカメラを動かします。そうすると、ハクチョウの進む先に空間ができて進んでいる感じの写真になるからです。
ハクチョウが飛び立つときは全力で走りながら助走して、飛び立ってからもスピードが乗るまで一生懸命はばたくので首が結構動きます。
そのため、目にフォーカスを合わせ続けるのは難易度が高いです。そのため9点くらいのフォーカスエリアを選びます。飛び立ち始めたら連写で押し続けます。
写真データーが大きくなりますが、気にせず押し続けましょう。 はじめたばかりの時は成功率がよくないですが、練習あるのみです。ハクチョウの流し撮りを楽しんでみてはどうでしょうか。
ハクチョウって可愛いね。
流し撮りも楽しいよ。