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- 一眼レフカメラを買ったけど、設定がたくさんあってよくわからない。
- いつもオートモードでしか使っていない。
そんな人に覚えてほしい2つのモードとカメラの基礎、レンズの基礎について解説します。カメラの基礎知識を知って一歩上達した写真を撮れるようになりましょう。
優先モードを使っていつもの写真が作品に変化
カメラで重要な設定は絞り値とシャッタースピードです。この2つを同時に調整しなくても絞り優先モードとシャッタースピード優先モードを使えば大丈夫。絞り値優先モードにすると絞り値を決めればシャッタースピードを自動で調整してくれるし、シャッタースピード優先にすれば絞り値を自動で調整してくれます。
それでは絞り値とシャッタースピードの特徴について解説します。
絞り値とは
絞り値とはレンズを通る光の量を調節する機能で「F○○」と表示している数字です。この数字を変えると背景をぼかしたり、近くから遠くまでシャープに撮影できます。
シャッタースピードとは
シャッタースピードは言葉からわかると思いますが、シャッターを開いている時間のことです。1/○○と表示され、○○の数字が大きいほどシャッターが開いている時間が短い(シャッタースピードが速い)です。シャッタースピードが遅いと手ブレや被写体ブレが起こりやすくなります。最近は手ブレ補正が強力で起きにくくなりましたが、被写体ブレはシャッタースピードを上げないと起きやすくなります。シャッタースピードを変えることで写真に時間や流れを変えた表現を出すことができます。流し撮りはシャッタースピードを遅くすることを利用した撮影手法です。
カメラのしくみ
カメラはレンズで光の量を調整された画像が、シャッターボタンを押したときにカメラの中にあるシャッターを開くことでイメージセンサーに記録しています。
この時にレンズに光の量を調整する絞りとカメラにあるシャッタースピードをコントロールして、写真の明るさがちょうどよくなるように調整しています。
よく蛇口からコップに水を入れるときにたとえられます。蛇口が絞りで水を出している時間がシャッタースピードです。コップの水がいっぱいになった時がちょうどよい明るさ(適正露出)です。蛇口を少ししか開けていないときはコップがいっぱいになるために時間がかかるし、すぐにコップをいっぱいにしたいときは蛇口を大きく開く必要があります。
また暗い所でブレてしまうことがありますが、蛇口をいっぱいに開いても水が少ししか出てこない状態です。そのためコップがいっぱいになるには時間がかかってしまっています。そのようなときはISOというセンサーの感度をあげてやるとシャッタースピードを上げることができます。しかしあげすぎると画像が荒くなってしまします。
フルサイズとはイメージセンサーのサイズ
フルサイズと聞くとカメラ自体のサイズに感じますがイメージセンサーのサイズのことです。イメージセンサーが大きくなると画質がきれいになります。画質の違いを例えると同じ大きさの普通のテレビと4Kテレビの違いと似ていて4Kのほうがきれいに感じるでしょう。フルサイズの特徴は画質やボケがきれいになることやISOをあげても画像が荒れにくいなどがあります。
一眼レフカメラとミラーレスの違い
一眼レフカメラにはファインダーに写すためにカメラの中に鏡があります。シャッターを押したときにシャッターのほかにこの鏡も上下してセンサーに光が届くようになります。
ミラーレスはこの鏡がなくセンサーに映った画像をファインダーに写しています。昔はファインダーに映る画像が遅れるとかピントをつかみにくいなど弊害がありましたが最新のカメラはどちらも変わらないところまで進化しています。
カメラの基礎
カメラの基礎についても解説します。
基本的には絞り優先モードとシャッタースピード優先モードでよいのですが、基礎を知ることで今後の成長が違ってきますのでぜひ覚えましょう。
F値(絞り)を変えると何が変わる
F値を変えると被写界深度が変わります。被写界深度とはピントの前後どこまで鮮明に映るかです。またF値を大きくしすぎるとぼやっとした画質になってしまいます。F値を変えることで背景をぼかしたり、近いところから遠いところまでシャープになります。背景がボケると被写体が目立つような写真に仕上がります。風景や集合写真などは近くから遠くまでシャープに撮りたいです。
シャッタースピードは速ければよいわけではない
シャッタースピードが遅いと手ブレや被写体ブレが起きやすくなります。しかしシャッタースピードを速くするためにはF値を小さくする必要があります。
シャッタースピードを遅くすることで普段見ることのできない表現ができます。このようにシャッタースピードを速くして一瞬を切り取ったり、遅くして流れを表現したりできます。流れや動きのある被写体の表現にシャッタースピードを変えてみるのも良い手段です。
ISO感度
ISO感度の数字が大きくなりすぎると画質が悪くなります。絞り値を一番小さくしたときのシャッタースピードより速いシャッタースピードにするとISO感度をあげる必要があります。ISO感度をあげた時の画質はセンサーサイズが大きいほど悪化しにくいです。
ISO感度はなるべく上がらないようにしましょう。しかし暗い所ではどうしても上がりやすいので注意が必要です。その時はフラッシュなどを使用したり、被写体に止まってもらうなど工夫をしてみましょう。
露出
露出は露出補正で変えることができます。「+〇、―〇」などがここに当たります。 露出は周辺の明るさで補正して白とびや黒つぶれしないように、自動で調整してくれます。しかし明るい所では明るすぎると判断して暗く、暗い所では暗すぎると判断して明るく補正してしまいます。そのため実際の明るさとずれが出ることがあります。その時は露出補正を変更しましょう。
AFエリアとAFモード
シャッターボタンには「半押し」と「全押し」があります。
シャッターボタンは2段階で動作していて半押しとはボタンを押していくとピントや露出が動き出すときのことです。そのまま最後までボタンを押す(全押し)とシャッターが切れます。半押ししてピントがあってから全押ししてシャッターを切りましょう。
AFエリアとはAF(オートフォーカス)をする範囲のことです。AFエリアが広いと撮りたい被写体の前にあるものにピントを合わせてしまうことがあります。被写体のほかにピントが合ってしまうときはAFエリアを狭くしましょう。またカメラは暗すぎるとAFができません。この性能を低輝度測距限界で表しています。
AFモードの呼び方がカメラメーカーによって違うため混乱してしまいそうですが、機能は同じです。半押しした時に合わせたピントのままAFが固定するモードが「シングルAF」や「ONE SHOT」です。そのほかに「コンティニュアスAF」や「AI SERVO」は半押ししている間、AFが動き続ける動作をします。
ピント合わせに大切なオートフォーカスの設定でカメラの性能に違いがありますが、ピントが合いやすい設定を探してみてください。また、撮った写真をすぐ確認してピントや露出が正しいか確認する癖をつけるとよいです。
連続撮影速度
連続撮影速度とは秒間○○コマと表現しています。連写の早いことのメリットは動きのある被写体を撮り続けた時1コマと1コマの間の時間が短くなることです。秒間5コマと秒間10コマのカメラを使ってハクチョウの飛び立つときを撮影した時で例えると撮りたいのはハクチョウが翼をあげて水面を走っている時の写真とします。水面を走っている時間が1秒ほどとしたとき秒間5コマのカメラでは5枚の中から目的の写真を選ばなければいけませんが、秒間10コマのカメラならば10枚の中から選ぶことができます。そのため目的の写真を撮れる確率が上がるって来ます。サッカーや野球などではボールを蹴った瞬間やボールにバットが当たった瞬間の写真を撮りやすくなります。動いている被写体の瞬間をとらえたいときは連続撮影速度が速いカメラをお勧めします。
レンズの基礎
レンズには2つの種類があります。またレンズ性能はおもに3つの値で性能を現しています。
レンズの性能を現す3要素
レンズには3つの性能で表しています。
- 焦点距離
- 開放F値
- 最短撮影距離
焦点距離とは50mm付近のレンズを「標準」、24mmなど数字が小さい物を「広角」、200mmなど大きい物を「望遠」、600mmになると「超望遠」と呼ばれています。
焦点距離が違うと画角、写る範囲、被写体の大きさが変わります。広角レンズでは遠近感が出やすくシャープに写り、望遠レンズでは背景がぼけやすくなったり遠くのものが大きく写す(圧縮効果)ことができます。
開放F値とはF2.8(1:2.8)などと表され、カメラの設定でF2.8まで低くすることができるようになります。F値が小さいと背景がボケやすく光をたくさん取り込めます。暗い所でも光をたくさん取り込めることができれば、シャッタースピードを上げやすくなり室内などの撮影で有利になります。開放F値が小さいとレンズが大きくなり高価になります。
最短撮影距離とは被写体にピントを合わせられる最短の距離です。自撮りや物撮りなど被写体までの距離が近すぎてピントが合わないときは気を付けましょう。また接写撮影用にマクロレンズもあります。
ズームレンズと単焦点レンズ
レンズにはズームレンズと単焦点レンズがあります。ズームレンズの方が一般的ですが、単焦点レンズは性能が高い傾向があります。
ズームレンズのズームとは画角を変えることで遠くの被写体を大きく写すことです。ズームレンズはF値が大きく、画角を変えるとF値が変化するレンズが多いです。高額なレンズにはF値が一定なレンズもあります。
単焦点レンズは画角を変えることができませんが画質やボケがきれい、F値が小さい、最短近距離が短いなどいろいろな特徴を持ったレンズが多く表現の幅を広げることができます。しかし被写体を目的の大きさで写すには前後に移動する必要があります。
スマホのカメラも実は単焦点レンズで拡大しても画角は変わりません。最近のスマホは画角の違うカメラが2~3個付いた物もありますね。広角と望遠をうまく使ってスマホでも普段とは違う写真を撮ってはいかがでしょうか。
基本は絞り優先モードとシャッタースピード優先モードで大丈夫
最近のカメラは性能が向上したので2つのモードで大丈夫です。
どちらの設定にするかはどんな写真を撮りたいかをイメージすることが重要です。
例えば流し撮りを撮りたいからシャッタースピードを遅くしたり、背後をぼかしたいから絞りを小さくするなど撮りたい写真を意識すると絞りやシャッタースピードを決定しやすくなります。
この2つを覚えて素敵な写真を撮影しましょう。